我々サイン業界ではポピュラーな、0.8mm厚のマグネットに
インクジェットの出力が貼られたもののカットです。Kongsberg XL-22に搭載されたマルチヘッドには、5種類のカットツールの中から
3種類(ミーリングは固定なので、あと2種類ですが)の任意のツールがセットできるのですが、
今回の用途で使うのは、
『押し切りツール』
です。ま、普通に人間がカッターで切るように動くってものです。
スチレンボードなどを切る場合に使う、刃が上下に細かく動く
『バイブレーションツール』を使っても切れますし、寧ろそっちを使った方が
切りやすいのですが、ひとつだけ欠点というか、マグネットに対して向かない点がありまして。
それは何かと言いますと、断面が細かいギザギザになってしまうんですね。
スチレンボードではほとんど気にならないのですが、マグネットは目立つんです。
触ると結構気になります。
切る速度は変わらないので、素材に合ったツールをチョイスします。
しかーし! ここで必ず守らなければいけないことが1点。
それは刃です。上の写真は上記2種のツール共通の刃なんですが、タイプが異なります。
左が超硬刃(ちょうこうば)で、右が汎用刃です。
マグネットを切るには左の 超硬刃が必須です。
何故なら、マグネットは磁石といううくらいで、石の仲間(?)なんでしょうか
硬いんです。
汎用刃だと少し切ると刃先がすぐにボロボロになってしまい、切れなくなってしまいます。
そこで、超硬刃の登場です。コイツはかなり持ちます。
で・す・が、
お値段も素晴らしくて、汎用刃の50倍します(!!)
汎用刃は50円ですが、超硬刃は2500円!
1枚ですよ。
アタマがクラクラしてきますね。
おっと、そうこうしているうちにカットが終了したようです。
ヌケガラです。こんな高価な刃を使って切ってますが、お値段は汎用刃と同じなので、
ワタシの財布もヌケガラに・・・
いやいや、自腹では買ってませんでした。
0.8mmとはいえ、人間の手でこんなに滑らかに、かつ速くマグネットを切ることは不可能です。
我々プロでも無理ですね。
ご依頼頂いた会社様は、受注したものの切れずに困り果てていたところ、
弊社の存在を思い出して頂いたようで(笑)
お役に立てて良かったです。
またお待ちしてます。ありがとうございました!