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【コラム】両面テープのお話

2021年07月02日

【コラム】両面テープのお話

たかが両面テープと侮るなかれ

その用途は様々で、我々の仕事には欠かせないアイテムです。
一般に両面テープは文房具的なイメージを持たれると思いますが、実は世の中には様々な場所に使われています。
意外なところだと、自動車のスポイラー等のオプションパーツは両面テープで固定されています。
高速道路で外れて飛んでいったら大事故ですよね、でも飛んでいかないということは?
そういうことです。

さて、我々の仕事だとどうでしょうか。
屋内での使用で、例えばカルプやアクリルの切り文字を看板のベース(アルミ複合板など)に固定するのであれば、
基材が不織布製のアクリル系粘着剤の強力な両面テープで大丈夫です。厚みは0.14mmほど。
レーザー加工機にも使用でき、カッターナイフを使って、手でも切れるので、作業性に優れています。
そこそこ大きな板状看板の貼りでも、両面テープを貼る面積を増やせば、がっちり固定することもできます。
なので、1アイテムで何でもこなせます。価格も比較的安価です。


ところが、屋外使用となると話は全く変わってきます。
不織布製両面テープは基材に耐候性が無いため、長期的には剥がれの恐れがありますので使えないからです。
そこでまず、屋外用途でよくあるのはブチルゴムを基材に持つブチル系粘着剤の両面テープ。建築現場で防水・止水目的で使われることが多いやつですが、
これは悪くないのですが、基材がゴム系なので、伸びてしまって手でカットしにくいのです。(カット性に関しては後述するアクリルフォーム基材のテープも同様)なので作業性は悪いです。しかし比較的安価なため、コスパは悪くないです。

そしてもうひとつが、アクリルフォーム材を基材に持ち、アクリル系粘着剤の両面テープです。
大抵1mm以上の厚みがあり、冒頭で例に挙げた車のパーツ固定もこの仲間です。
弊社でも使っており、その商品名がこのジャンルの代名詞ともなっている、3M社のVHB構造用両面テープです。
沢山のラインナップがあるのですが、その名の通り建築の構造部にも使える強度を持っています。
厚みがあるので、粗面にも有効です。カット性は悪いですが、超強力なため、信頼度はトップレベル。
しかしながら価格もトップレベルで、コスパ最悪(笑)25mm幅で1メートルあたり300円もします!!!!
ビスが使えない場面で登場させるのですが、この高価なテープを湯水のように・・・・・。

ですが、先程も申し上げたように、カット性が悪いのでマルチには使えません。そしてその厚みも時として仇となるのです。
カルプ文字は機械と作業工程の都合上、一旦文字をカットしてから後加工として両面テープを貼るため、カッターナイフで切れる必要があります。
大きな文字ならば部分貼りでもいいのでVHBを貼ることもできますが、細かい文字やレーザー加工機を使う場合ですと使うことができません。
特にレーザー加工機を使う場合は、塩化ビニールを含む材がNGなため、VHBは大丈夫ですが使用出来るアイテムが限られます。
それでいて強力で、屋外で使用できて・・・・そんな都合のいいものあるかい!!と投げ出したくなりますが、探せばあるんです。
特殊ポリエチレン系基材・アクリル系粘着剤で厚みは0.22mm。価格もVHBほど高くない。
嬉しい誤算として、普通張り付かないフォーム材にも使える

我々のようなモノづくりの仕事では、製品を作るのと同じくらい、材料を見つける事が重要になります。
AとBを貼り合わせたいが、手持ちの材料ではくっつかない、なんていうことは日常茶飯事。
全く未知の素材を探して、製品を作る事もあります。
そうやってノウハウを積み上げていき、それがいつか、他の仕事に応用されていく・・・・。
時には検証するために1年間放置しておいて、結果を調べることもあります。
真面目に、地味に、良い仕事ができるように日々頑張っております。

今回は趣向を変えて、施工事例ではなく仕事道具のお話をしてみました。

ではまた。